ゼロ・グラビティのストーリーネタバレ:ラストシーン感想と評価

映画「ゼロ・グラビティ」のフル動画視聴方法を紹介します。


監督はアルフォンソ・キュアロン。

「トゥモロー・ワールド」や「ROMA/ローマ」など、監督する作品がどれも話題になり高い評価を受けており、「ゼロ・グラビティ」もアカデミー監督賞などを受賞しています。


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「ゼロ・グラビティ」のあらすじ

地球の上空600キロ、温度は摂氏125度からマイナス100度の間で変動する。音を伝えるものは、何もない。気圧もない、酸素もない。宇宙で生命は、存続出来ない。


地上600キロの宇宙空間で、地球を周回するスペースシャトル。

シャトルで初めてのミッションに挑む女性科学者ライアン・ストーン博士は、無重力空間の影響による吐き気などと戦いながら、なんとか職務をこなしています。


彼女を支えるのは、宇宙飛行士マット・コワルスキー

これまでの宇宙遊泳の時間が世界記録に並ぼうという、経験豊かなベテランは、豊富な経験と持ち前の明るい性格でストーン博士を助け、励ましていました。


そんな時、地球のヒューストン基地から通信が入ります。

ロシアが自国の人工衛星を政治的理由によりミサイルで破壊し、破片が地球の軌道上を周回する可能性がある。つまり周回中のシャトルと接触するかもしれない…

現時点では、破片の回る軌道はストーン博士たちのいる位置とは重ならないが、何かあったらすぐ知らせるとの報告でした。


ストーン博士は苦労しながらも、コワルスキーと宇宙空間での作業を続行します。

するとヒューストンから連絡が入り、緊急の警告が告げられます。


ロシアの破壊した衛星の破片が他の衛星を破壊し、連鎖反応で次々と新たな破片が発生、猛スピードで君たちの起動へ向かっている。ただちに作業を中止し、撤退せよ


これを聞いたコワルスキーは、「もうすぐ終わるわ」というストーンに即作業を中止させ、シャトルに戻ろうとします。

しかし破片のスピードは予想以上に速く、ストーンたち宇宙飛行士やシャトルに襲い掛かってきます。


破片によりヒューストンとの連絡は途絶え、もう1人宇宙空間で作業をしていた飛行士のシャリフは破片が直撃、帰らぬ人となってしまいます。

ストーン博士もシャトルとの命綱が切断され、宇宙空間に放り出されてしまいました。


広大で上下左右のない宇宙空間に放りだされ、ぐるぐると体が回り続けるストーン博士は、パニックに陥りそうになります。

そんなストーン博士にコワルスキーは必死に呼びかけます。自分のいる位置を教えろ、自分のいる位置から何が見えるか言えと。


体の回転が納まり、なんとか落ち着きを取り戻したストーンは、コワルスキーに自分の視界から見えるものを報告。

コワルスキーはすばやく宇宙服のジェット噴射でストーン博士に接近、救助します。「俺にしっかり繋ぎとめておく。どこへ行こうと一緒だ。


コワルスキーはなおも不安にかられるストーン博士を励ましながら、シャトルに戻りますが、シャトルも破片の直撃により破壊され、中に生存者は残っていませんでした。

シャトルを含めたこのミッションの生存者は、コワルスキーとストーン博士の2人だけになってしまったのです。


コワルスキーは、シャトルからは少し離れた場所にある国際宇宙ステーション・ISSまでこのまま行き、ISSにある宇宙船・ソユーズで地球へ帰還しようと考えます。

宇宙服の噴射で焼かれないように、距離をおいた命綱で繋がれたコワルスキーとストーン博士は、宇宙空間をゆったりと移動していきます。


ストーン博士の宇宙服に残された酸素は次第に残量が少なくなっていきますが、コワルスキーはストーンがそれを意識してパニックにならないよう、彼女に話しかけながらISSへ向かいます。

これまでシャトルでの生活では、コワルスキーが一方的に話すだけでしたが、ここでコワルスキーは、自分の知らないストーンのことを色々と訪ねます。


ストーンの故郷はイリノイ州で、夫はいないこと。

娘がいて、小さい頃に事故で死んだこと。

以来、朝目とともに車に乗り、仕事をして、また車に乗って家に帰るだけの毎日が続いていること。


やがて、コワルスキーはISSの機影が見える場所まで近づきましたが、衛星の破片により壊されてしまい、ソユーズのパラシュートが開いてしまっていることに気付きます。

この状態では、大気圏突入に使用することは不可能です。


ISSからまた離れた位置に、中国の衛星がある。

地球へ戻るには、なんとかそこまで行き着いて、中国のソユーズを使うしかない。


そう考えたコワルスキーは、まずはISSにたどり着こうとしますが、残りの燃料が少ないため、噴射にブレーキをかけることが出来ません。

噴射の勢いのまま、コワルスキーとストーンはISSの機体にぶつかるように接近します。


どこかにつかまろうともがくストーン博士の足が、ソユーズから飛び出したパラシュートのロープに絡みつき、ストーンはかろうじて助かります。

まだ位置を確保出来ていないコワスルキーの手を、ストーンは必死に掴みます。しかしコワルスキーはその時、ストーン博士の足に巻きついたロープが細過ぎて、人間2人を繋ぎとめておくのはムリだと判断します。

「そんなことやめて!お願い!」

そう叫ぶストーン博士の言葉と裏腹に、コワルスキーはストーンの手を放し、自分の宇宙服についた命綱を切り離します。


2人は無理だ。無事に帰還するんだ


コワルスキーはストーンと離れ、あっという間に宇宙空間の中で、小さな点となってしまいます。

ストーン博士は、酸素が残り少ないためまずISSの内部に入り、それからコワルスキーを探そうと決意します。


姿が見えないコワルスキーからの無線の指示で、ストーンは酸素切れになる前に、なんとかISSへ入ります。

それからコワルスキーが自分に言ったように、「何が見るか教えて!」と話しかけますが、コワスルキーはもう、自分の運命を覚悟していました。


諦めることも、学ぶんだ。宇宙遊泳記録が、永遠に破られないだろう時間まで延びたよ。ガンジス川を照らす太陽が見える。ああ、なんて綺麗なんだ・・・


そしてそれきり、コワルスキーとの通信は途絶えてしまいます。

「あんなに喋り続けてたのに!何か言って!」

しかしそれはもう、叶わぬ願いでした。


ここからは、自分1人でやるしかない。

ストーン博士はコワルスキーに言われたように、地球へ帰還するため、ISSから中国の衛星を目指し始めます。

ISSに配備されたソユーズで、中国の衛星まで行こうとするストーン博士。しかし発進したソユーズのパラシュートが、ISSの機体に引っかかり、飛行を妨げられてしまいます。


ストーンは再び宇宙空間へ出て、なんとかロープを外しますが、そこに無数の破片が降り注いで来ます。破片を避けながらソユーズの中へ戻りますが、それでもソユーズは動き始めません。

なんとソユーズの燃料が、いつの間にかゼロになっていたのです。


次から次へと起きる災難に、ストーンはヒューストンだけでなく、どこかと通信が繋がらないかと必死に試しますが、言葉のわからない異国の無線と偶然繋がっただけでした。

しかし地球上のどこかと無線が繋がり、犬の声や子供の声が聞けたことで、ストーン博士は慰められます。


「あたしのために、祈ってくれる?いまさら遅い?これまでの人生で、祈ったことなんてないんですもの。祈り方を知らないの。誰にも習わなかった・・・」


そしてストーンは、もう手は尽くした、これ以上自分に出来ることはないと、ソユーズの中の酸素を放出し始めます。

これで、ゆっくり眠れる。死んだ娘に会える・・・

酸素の薄れゆくソユーズの中で、ストーンは静かに目を閉じます。

「ゼロ・グラビティ」のネタバレ

酸素を放出し、そのまま「眠るように」息絶えようとしていたストーン博士でしたが、ソユーズを「外から」ノックする音に目を覚まします。

一体誰が?と驚くストーンの前に現れたのは、通信が途絶えたはずのコワルスキーでした。


ソユーズへ入ってきたコワルスキーは、「予備の燃料があったんだ」と言いながら、何事もなかったかのように酸素の放出を止め、ストーンの横に座ります。

戸惑うストーンに、コワルスキーはまるで日常会話の続きのように、「軟着陸の逆噴射は試したかい?」と聞いてきます。


「酸素を切って、1人きりになる。ここは居心地がいい。誰も傷つけるものはいない」

「しかし、戻るのなら、逃げるのはよせ。大地を踏みしめ、自分の人生を生きろ。」

地球へ還るんだ。


そこでストーンは、はっと目覚めます。

コワルスキーの姿は、酸素の欠乏が招いた幻覚でした。


ストーンは急いで、酸素の放出を、今度は現実の世界でストップします。そして、「コワルスキーの言っていたこと」を思い出します。

軟着陸の、逆噴射。


手は尽くしたかと思っていましたが、最後の手段が残されていました。

ストーンはマニュアルを見ながら、軟着陸の準備を始めます。ソユーズのシステムに、「地上に近づいた」と思わせて、ジェット噴射をする。


ソユーズは勢いよく飛び出し、中国の衛星へ向かっていきます。

しかし、中国の衛星もまた破片の嵐に打たれ、地表へ向かって降下中でした。このままでは衛星に入れないと考えたストーンは、ソユーズの中にあった消火器を握り締め、心の中のコワルスキーに話しかけます。


「もし向こうで、サラという女の子に会ったら、失くした赤い靴をママが見つけたと伝えて。ママは、諦めないって。ママは、もう、逃げない。」


ストーンはソユーズの外へ飛び出すと、消火器の噴射を使い、なんとか中国の衛星にたどり着きます。

降下していく衛星の中で、見慣れない中国語に戸惑いながら、ストーンは中国のソユーズに乗り込み、発進します。


大気圏に突入した衛星が燃え上がる中、ストーンの乗ったソユーズのカプセルは、海へと落下。ヒューストンからの無線も、やっと通じるようになりました。


ストーンはカプセルの外へ泳ぎ出ると、海岸へと這うようにたどり着きます。

そこで体を起こそうと思いましたが、地球の「重力」に負けて、肘をついてしまいます。重量の「重み」を全身に感じつつ、ストーンは微笑みながら立ち上がり、歩き始めるのでした。


「ゼロ・グラビティ」の感想


この作品は映画館の「IMAX」方式の3Dで見たのですが、見終わった時の衝撃は、とてつもないものでした。

映画の新しい歴史が、新しい時代が始まった。間違いなく。


ずっと昔、無声映画からトーキーになった時のように。

白黒から映像がカラーになった時のように。

近代になってからは、スピルバーグが巨大な恐竜が動く映像を、全世界に見せ付けた時のように。


そんな風に、映画に新しい歴史が刻まれる瞬間を、目撃した。

大袈裟でなく、そう思いました。


宇宙空間を捉えた映像が素晴らしいという、そういうレベルではなく。予想も想像もしていなかった「未知の映像体験」に、全身の鳥肌が立つ思いでした。

キュアロン監督の前作「トゥモロー・ワールド」でも、カーチェイスが延々と「ワンカット」で続くシーンに驚いたのですが、これは後で、CGでカットを繋いでワンカットのように加工した「擬似ワンカット」だと知りました。

本作にも「擬似ワンカット」が出てくるのですが、これがとんでもないシーンだったのです。


カメラはまず、命綱を失くし、宇宙空間でただぐるぐると回るストーン博士の姿をとらえます。

するとそのままカメラはストーンの顔に接近していき、遂には、ストーンの「ヘルメットの中」に入ってしまう!


広大で膨大な宇宙空間をとらえていたカメラの視線が、カット無しでヘルメットの「中」に入り込み、そのまま「ストーンの視線」になるのです!

これはもう、前代未聞の「ワンカット」と言っていいでしょう。


そしてこのワンカットの「視点の動き」がそのまま、ストーンの心の動きを表しているのです。

ぐるぐると回るストーンの姿は、映画を見ている観客にも眩暈を起こさせるようなめまぐるしさで、ストーンの心に芽生えたパニックを共有させて。


コワルスキーの言葉で徐々に落ち着きを取り戻し、「今、目に見えるもの」をストーンが報告する時には、カメラはまさに「ストーンが見ているもの」を映し出す。

これを擬似にせよ、ワンカットでやっちゃおうっていう発想が凄いですし、それを実行しちゃうことが本当にもの凄いと思います。


本作は、こういった「初めて体験、体感する映像」に満ち溢れた作品でした。

これからは、SFXを駆使した、特にSF作品を語る時には、本作が「基準」になるだろう。

そんな確信を得るような、衝撃の映像体験でした。


「ゼロ・グラビティ」の考察


衝撃の映像とは対照的に、物語においては、主要登場人物がコワルスキーとストーンの2人きりという、極めて限定的なストーリーになっています。


これは恐らく、まだ見ぬ映像を観客に思う存分堪能してもらおうと、ストーリーはあえて「単純化」したのではないでしょうか。

多くの登場人物が入り乱れ、事件が起きて真犯人を突き止める・・・といった「複雑なストーリー」では、観客は映像より「物語」を、俳優のセリフを追ってしまいます。


キュアロン監督は、それを最低限に抑え、セリフが不要と思える箇所はセリフも省くといった構成で本作を作り上げたのだと思います。


序盤で、宇宙服でストーンとコワルスキーが一緒に作業をするシーン。

シャトル表面の「ネジ」を外したストーンは、そのネジが「ふわり」と宇宙空間に浮き、漂い始めるのを、捕まえられません。


その、宇宙空間をプカプカと漂い始めたネジを、コワルスキーは当たり前のように、「はっし」と片手で捕まえる。

なんの説明セリフもなく、コワスルキーがこういった「宇宙空間(で行う作業など)の達人」であり、ストーンは逆に「全くの初心者」であることを示しているのです。


それは、2人が長い「命綱」に繋がれて、ISSへ向かうシーンでも現れています。

酸素の残量が少なくなっているのですから、本来ならストーンに「余計なことを喋るな=余計な酸素を消費するな」と言うべきでしょう。

しかしここでコワルスキーは、あえてストーンに「ずっと」喋り続けます。そして、ストーンの返答を促します。


ストーンが宇宙空間での「漂流」から救われ、コワルスキーに抱きとめられた後に、コワルスキーは自身の噴射がストーンに当たらないよう、2人を繋ぐロープの距離を長く取ります。

ストーンは、やっと助かったのに!と、コワルスキーから「離れる」のを拒もうとします。


これは、溺れている人を助けるのに、溺れている人が暴れないよう押さえつけるのに似ているかもしれませんね。

捕まるところ、「頼るもの」が何もない宇宙空間で、体を接したストーンが暴れ始めたら、2人とも助からなくなってしまう可能性があります。


ずっと

「体を接したまま=安心出来る状態でいたかった」

ストーンと距離を取り、宇宙空間を漂うということすら初の体験であるストーンが、酸素が減っていくことでパニックに陥らないよう、地球での日常などについて聞き続ける。

聞き続けることにより、少しでもストーンの恐怖を和らげ「助かる可能性」を高くする。


これが、経験豊かなベテランであるコワルスキーが選択した「2人が助かるための戦略」だったのだと思います。

このシーンもまた、説明ゼリフ無しで2人の経験と関係性を表すシーンになっています。


しかしこれが皮肉にも、ISSに着いた後、ストーンの足に絡まるか細いロープを見て、コワルスキーが「2人はムリ」と判断することにも繋がるのですが・・・

余裕さえあれば、コワルスキーはそれまで通りストーンに落ち着いた指示を出し、静かに慎重にロープをたぐり寄せ、「2人とも助かる」ことも出来たはずなのです。


しかしすでにストーンの酸素残量は、そこまでの作業をするには足りなくなっていた。ここまで安全にたどり着くために、会話をするのに酸素を使っていたことで。

ロープの強度と酸素残量を考えた「結論」が、「2人はムリだ」ということだったのですね。

そんな運命の「ちょっとしたイタズラ」もまた、本作の単純明快なストーリーを深いものにしていると思います。


そしてラストシーン、海岸にたどり着き、立ち上がろうとしたストーンが、思わず「へなっ」と崩れ落ちてしまう。

「地球の重力」を、体で感じたせいで。


ここでストーンが漏らす笑顔が、もう最高ですね!

重力の「重み」は、同時に「命の重み」でもあるのだと。


また、ISSの内部へとたどり着いたストーンが、ヘルメットや宇宙服を脱ぎ捨てて、切れる寸前だった酸素を吸い込み、安心して無重力空間に身を任せ、体を胎児のように丸めるシーンがあります。

ここでストーンは一度「胎児」へ戻ったのだと考えると、ラストで地上にたどり着いた彼女は、再び「産まれた=生を受けた」とも考えられるのですね。


なので、生まれたばかりの小鹿のように、最初は足元がおぼつかずに「立つことが出来ない」。

しかしやがて、自らの足でしっかりと大地を踏みしめ、歩き出す。

まさに「生まれ、そして自分の力で生きていく」ことを象徴したシーンと言えるでしょう。


このタイミングで原題の「GRAVITY」がスクリーンいっぱいに表示される演出は、「お見事!」としか言いようがありません。

やはり本作は疑いなく、SF映画の枠のみならず、映画の歴史上に残る「名作」であると思います!

 

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